自然に寄り添う私の暮らし in 神山

神山温泉横のふれあい橋は藤の花の名所
神山温泉横のふれあい橋は藤の花の名所

 

こんにちは。スタッフのみどりです。

普段はしずくストアで接客や販売に伴う業務、生花を担当しています。

神山の春は蝋梅から始まり、梅や水仙、沈丁花と、花の香りで始まります。桜の季節が終わると咲き始める藤の花は、ジャスミンに似た上品な甘い香りがします。ちょうど今、神山では藤の花が満開です。風に乗ってふんわり漂ってくる花々の香りは、目に映る色とともに私たちの心を優しく包んでくれます。

また柑橘天国の神山では、すだちを筆頭に柑橘類の香りを活かした料理も楽しめます。柑橘類のアロマは果皮から抽出しますが、すだちや柚子も果皮に香りと栄養がたっぷり含まれているのです。果汁を搾る以外にも料理やスイーツに皮を細かく切ったものを乗せて香りで彩ったりと、食卓でも季節の香りを楽しんでいます。

香り豊かな神山すだち
香り豊かな神山すだち

 

今回は神山での暮らしを切り口に、植物の活用方法や捉え方についてご紹介しますね。

Topics

・神山は植物の宝庫

・薬草との出会い

・東洋医学から学ぶ治癒の原則 

・エッセンシャルオイルについて

・アロマを暮らしに取り入れる

 

神山は植物の宝庫

香りをはじめ、身近な自然の恩恵を受けて暮らすのが、私のお気に入り。ここでは身の回りに心身を整える材料が季節ごとに揃っていて、私のナチュラルライフは本当に充実したものになりました。

旬の野菜や果物が採れたての状態で食べられることや、梅干しなどを自分で食材を仕込むようになったのは、田舎暮らしを始めてから。春にはよもぎなどの薬草を近くの野山で採取したり、虫がたくさん出始める頃には虫刺され用のドクダミエキスやヘビいちごの焼酎漬けを作ったり、大寒の時期には枇杷の葉エキスを仕込んだりと、植物のパワーが一番高まる時を狙って、自分で常備薬を作り活用しています。

日本の三大薬草のひとつであるどくだみ
日本の三大薬草のひとつであるどくだみ

薬草との出会い

私が植物療法に出会ったのは、会社員を辞めてイギリス本土に半年くらい滞在していた頃です。アロマだけでなくフラワーエッセンス、ホメオパシー、ハーブなどヨーロッパの薬草文化に触れたのがきっかけでした。

会社員時代、原因不明の体調不良でしょっちゅうお医者さんに行っては自律神経の乱れと診断されるだけで、解決のしようがない体験を何度もしました。その場しのぎの対症療法、例えば痛み止めを処方されたとしても根本解決にはならないし、自律神経失調症という診断名だけ言われてもよくわからない。行き場のないもやもやした気持ちが残って、悲しい思いをしたものです。その頃はアロマの存在も知らず、とにかくお医者さんに頼らなくても身体を整える方法はないものかと模索したのち、漢方や鍼灸などの東洋医学と西洋の植物療法も取り入れるようになりました。

今では体調が優れない時や風邪を引いた時も、よほどひどくない限りお医者さんには行かず、自己治癒力を高める植物療法を臨機応変に役立てています。

 

東洋医学から学ぶ治癒の原則 

東洋医学は陰陽五行思想に基づいており、「気の流れ」、「血液の流れ」、「水の流れ」この3つのバランスをみながら医療を行います。

アロマでも「気の流れ」=肺や気管支などの呼吸器系を整えるもの、「血の流れ」=血液やリンパの流れ、ホルモン分泌を良くして循環器系を整えるもの、「水の流れ」=体内の水分調整、腎臓系を整えるものが存在し、各症状に合ったエッセンシャルオイルを選びます。

世界三大医学のひとつであるインドのアーユルヴェーダでは、自然界は五大元素(空・風・火・水・地)から構成されており、私たちの身体もまたこれらに基づいて成り立っていると考えられています。

このような捉え方から、私たちの身体は自然界そのものであることがわかります。

大地を耕し、水の流れを循環させ、熱により活性化し、風を通していくように、わたしたちの身体も内側から整えることができるのです。

陰陽図
陰陽の考え方では、「あらゆるものは陰と陽に分けられる」とされています

 

東洋思想の陰陽について、もう少し詳しくご説明しますね。

ここでは、昼と夜を区別し自然に寄り添うリズムで生活すると、私たちは自ずと元気になると考えられています。

毎日の食事で旬のものを食べることは、その時季に必要な栄養素を取り入れることを意味します。例えば春は山菜などの苦味を取り入れることで冬の間に肝臓に蓄えた毒素のデトックスになっていたり、水分をたっぷり含んだ夏野菜は身体の熱を取るために有効ですし、梅のクエン酸は厳しい暑さによる疲労回復、冬野菜は身体を温めるものが多かったりと、ちゃんと自然の理に適ってるんです。

自然のリズムに寄り添う方法で元気になれるのは、私たち人間がその一部である証拠ですね。

自律神経の話でいうと、交感神経と副交感神経、すなわち活動とリラックスのバランスが基本なんですが、陰陽のバランスをどれだけとるかも重要なポイントになってきます。さきほど触れたように、昼は太陽光を浴びて活動的にして、夜はなるべく蛍光灯など人工の光を使わず間接照明やキャンドルでリラックスして過ごせば、ぐっすり眠れるのも大切な陰陽バランス。「風通しが良い」という日本語がありますが、呼吸がゆっくりで深いほど私たちのパフォーマンス力は上がります。呼吸は私達の風なんです。ゆっくり深呼吸する、ゆっくり話す、ゆっくりやるのって意外と物事の効率を上げるんですよね。

 

エッセンシャルオイルについて

樹木や花、果皮、根っこ、枝葉などから抽出するエッセンシャルオイル。

エッセンシャル[Essential]とは、「本質的な」という意味です。エッセンシャルオイルは、自然界の一部である私たち人間本来の活力や機能を取り戻してくれる大切な存在だと感じています。

香りは大脳辺縁系という脳の中でも食欲や記憶、感情といった本能に関わる部位にダイレクトに働きかけます。そこから、視床下部という自律神経やホルモン分泌の調整を行う中枢に作用し、免疫機能の働きをサポートしてくれます。

呼吸を整え、血液の循環を促し、水分の調整をしてくれる力強い助っ人のようなエッセンシャルオイル。しかも栄養分が高く香りも良くて、私たちの心や身体を修復してくれる優れもの。彼らの一部を凝縮して私達に分け与えてくれていると思うと、なんて愛に溢れてるのだろうと感動してしまいます。

SHIZQのSLEEPING FOREST
SHIZQのSLEEPING FOREST

 

ここで、しずくで扱っている樹木のエッセンシャルオイルについて少し語らせてください。

しずくのSLEEPING FORESTは杉の木部から抽出しており、安眠効果と副交感神経を高める効果があります。

樹木のエッセンシャルオイルは、木部もしくは枝葉から抽出されます。木を傷つけたりすると、ネバっとした樹液が出てきて固まったりしますよね。その樹液が固まった樹脂は幹の表面の傷を覆うかさぶたのようなもので、傷の自然治癒を促すのに大切な存在です。なんだか私たちの心も身体も修復してくれそうですよね。

枝葉から出る成分も虫除けになったり抗菌作用があったり、何より森の中にいて思いっきり深呼吸できるような、森林浴気分にさせてくれる爽やかな清涼感のある香りでリフレッシュさせてくれます。都会にある公園や街路樹の木であったとしても、樹木は私たちにどっしりした安心感を与えてくれますよね。日本の大きな神社でも樹齢何百年もある御神木も多く見かけられますが、樹脂系のエッセンシャルオイルは古代から宗教儀式などに欠かせない香りであったり、人類の歴史を辿っていってもとても神秘的な存在でもあります。

このように樹木のアロマに思いを馳せると、私たちを深いところから癒してくれるとても神聖で偉大な存在だなあとつくづく思います。

 

アロマを暮らしに取り入れる

アロマテラピーという芳香療法をはじめ、自然療法は私たちの内なる自然を活性化し本来のエネルギーバランスを取り戻す手助けをしてくれます。アロマは香りだけでなく、体の免疫機能や自己治癒力を高めてくれる大切な機能を担ってくれているのです。

例えば私は、眠る前にしずくのSLEEPING FORESTを深呼吸しながら嗅いだりお風呂にラベンダーのオイルを垂らしてリラックスしたり、掃除のときにユーカリやペパーミントのオイルをアロマスプレーにして使ったりと、普段から暮らしの中に香りを取り入れています。

私たちは自然そのもの。季節の移り変わりと共に自然から沢山のエッセンスをいただいています。自然のリズムを意識して、陰陽のバランスをとりながら日々健康に暮らしていきたいですね。