こんにちは。
神山しずくプロジェクトの藤田です。
あっという間に師走ですね。おかげさまで、しずくは今年も米作りを終えることができました。
4年目になる田んぼは、試行錯誤を重ねて少しずつ手慣れてきたように感じます。
突然ですが、皆さんはお正月に「しめ縄飾り」を飾っていますか?
「しめ縄飾り」とは、しめ縄を用いて作られる飾りのこと。
年の瀬になると玄関などに飾り、新しい年神様をお迎えする目印にします。
かくいう私は田舎の実家で見たことがある程度で、自ら「しめ縄飾り」に触れる機会はありませんでした。
2022年、しずくでの田んぼ仕事をきっかけに、いろんな側面からお米というものを捉えてみたいと思った私。お米を収穫した後に残った稲ワラで、「しめ縄飾り」作りに挑戦しました!
今回は私が教わった「しめ縄飾り」の作り方について、皆さんにご紹介したいと思います。
Topics
・名人に教わる「しめ縄作り」
・「しめ縄飾り」の材料と作り方
・フェーズ1. 下準備
・フェーズ2. 締め縄を綯う
・フェーズ3. 輪飾りの完成
・かつては身近な存在だった「稲ワラ」
名人に教わる「しめ縄作り」
とはいえ、今まで「しめ縄飾り」など作ったことのない私。せっかくやるなら、ちゃんと習いたい!と思い、友人の紹介でしめ縄作りの名人を訪ねてきました。
今回作ったのは、「輪飾り」というタイプの「しめ縄飾り」です。
「しめ縄飾り」もいろんな形がありますが、これはシンプルな構造なので初心者の私にもチャレンジしやすかったです。「しめ縄飾り」を作る前に、まずは縄を綯う(なう)練習から行いました。手で稲ワラ同士を擦るように巻いていくのですが、これが意外と難しい!
この作業さえ覚えてしまえば簡単なのですが、一度やっただけではすぐ忘れてしまうため、習得するまでに時間がかかりました。初めて「しめ縄飾り」を作る方は、まずは数本の稲ワラを使って縄を綯う練習からスタートすると良いかもしれません。
「しめ縄飾り」の材料と作り方
しめ縄飾りに必要な物をまとめてみました。
<材料・道具>
・稲ワラ…適量
・水…稲が浸かるくらいの水を入れた容器
・装飾(例:橙、裏白など)…適量
・結束バンド…1つのしめ縄飾りに2本
・ハサミ
・棍棒
・敷石
材料は基本的に身近にあるものでまかなっていきます。稲ワラの代わりに真菰や他の小物を使う方もいますし、結束バンドは麻紐でも問題ありません。
フェーズ1. 下準備
まずはじめに、
❶乾燥した稲ワラを湿らせて扱いやすくします。稲ワラが入るくらいのバケツや容器に水を溜めて、全体をさっと浸すイメージです。
次に、きれいなしめ縄を綯うために、
❷稲ワラの不要な部分を取っていきます。これを袴取りと言います。
❸きれいになった稲ワラを敷石の上に乗せて、根元あたりを棍棒で数回叩きます。
こうすることで、硬い根元の繊維が柔らかくなり、しめ縄を綯いやすくします(強く叩きすぎると繊維が壊れてしまうので要注意)。
フェーズ2. しめ縄を綯う
❹きれいになった稲ワラを30〜40本ほど束ねます。根元を結んだら、その束をさらに3つに分けます。
❺3つに分けた束のうち、2束を綯っていきます。この時、束自体は時計回りにひねりつつ、各々ひねった2束を、さらに左巻きにしていきます。※ この工程はコツが必要です!こちらの動画がわかりやすいので参考に!
❻編みきったら、残りの1束を時計回りに捻りつつ、先に綯ったしめ縄のくぼみに添わすようにして巻いていきます。
このとき手の滑りが悪い場合は、稲ワラを再度湿らせましょう。水を含んだワラは手に吸い付くので、綯いやすくなります。
フェーズ.3 輪飾りの完成
❼しめ縄ができたら、縄を丸めて円にします。
❽縄の両端が重なる上部を、結束バンドで留めたら「輪飾り」の土台が出来上がり。
❾最後に装飾をつけて完成です。装飾物にはそれぞれ意味があり、橙は「代々=子孫繁栄」、松は「長寿」や「健康」を表しているそうです。飾りの数や種類に決まりはないので、自分が大事にしたい意味を込めて作ってみてください。
以上で、「しめ縄飾り」の完成です。
かつては身近な存在だった稲ワラ
その昔、私たちの祖父母らは、畑仕事や暮らしの道具を作る材料として稲ワラを活用してきました。残念ながら、現代では身近なものではなくなってしまったというのも事実です。当たり前の知恵や技術が簡単に消えていく今だからこそ、稲ワラという素材に触れること、自分の暮らしに取り入れることに面白さを感じます。
しずく田んぼ部では、今年も稲ワラを使って「しめ縄飾り」を作る予定です。
完成品は、しずくストアにも飾る予定ですので、年明けに来店いただく方にはご覧いただけるかもしれません。
「しめ縄飾り」に興味がある方は、次のお正月に向けてぜひチャレンジしてみてくださいね!