こんにちは。神山しずくプロジェクトの藤田です。
お盆を過ぎた神山では、秋の気配を感じるようになりました。
さて、明日8/25 (金) の夜20時は、大好評の無料オンライン講座
見えてる風景が一変する どんどん分かる、繋がる
生物多様性から学ぶ、暮らしのオンライン学舎
第二回「生物多様性と土中環境」
が開催されます!
第一回目の「 生物多様性と民芸」に続き、第二回目のテーマは「土中環境(※)」!
今回はなぜSHIZQがこのテーマに注目しているかをご紹介します。
目には見えない土中のおはなし、ぜひお読みくださいね。
Topics
・森のはじまり
・スギの人工林で、広葉樹は育ちにくいという事実
・知られざる「土中環境」について学ぼう!
森のはじまり
突然ですが、みなさんは「森のはじまり」を見たことはありますか?
森とは、樹木が多くこんもりと生い茂っているところ。
この樹木たちが生まれる場所が「森のはじまり」となります。
なんとなくイメージができる方はいても、実際の場所を目にする機会は、滅多にないのでは?と思います。
かくいう私も、最近まで見たことはありませんでした。
先月末、生物多様性の専門家・坂田昌子さんが神山にいらっしゃいました。そのとき坂田さんと大粟山を歩いたのですが、上一宮大粟神社の参道であるものを発見しました。
それは、朽ち果てた倒木です。
いつからそこにあるのか定かではありませんが、木の表面には苔や草などの植物が茂っていました。
倒木の穴に手を突っ込むと、中はふかふか!
分解された木が腐葉土のような状態となっていました。朽ちた木は、森の一部となっていきます。森では生と死が一体であり、すべてが循環しているのです。
この循環を手伝っているのが、「菌」です。
森にはたくさんの「菌」が存在していますが、このように木を分解しているのが「木材腐朽菌」です。
一方で、植物と共生する「菌」もいます。それを「共生菌」といいますが、その中でも樹と栄養分をやり取りしているのが「菌根菌」といいます。
この「菌根菌」は、樹木によって種類も分かれており、働きや役割もさまざま。菌根菌の種類やバランスによって、森が持つ自己回復力が変わってくるそうです。このように、森は「菌」によって支えられているのです。
スギの人工林で、広葉樹は育ちにくいという事実
たとえば神山町に多く見られるスギ・ヒノキ類の人工林を、「菌」という観点から見てみましょう。
スギ・ヒノキは針葉樹林ですが、ケヤキやブナといった広葉樹林と比較すると、それぞれ違う種類の「菌根菌」が付いています。
「菌根菌」は大きくわけると「内生菌根」と「外生菌根」の2つあります。
スギなどの針葉樹につくのが「内生菌根」、広葉樹林につくのは「外生菌根」です。
つまり、針葉樹と紅葉樹は木の種類がちがうだけでなく、その地下(=土中環境)に生きる菌類の構成が異なっているということです。菌根菌と共生している樹木にとって土中環境の状態は重要で、仮に針葉樹の森を伐採したあと広葉樹を植えたとしても、育ちにくいのはこのためです。
我々神山しずくプロジェクトが課題としている「スギ林の手入れ」や「森の再生」を考える上で、土中環境は切り離すことのできない大事な要素なのです。
知られざる土中環境について学ぼう!
坂田さんに出会ったことで、森に対するイメージが変わりました。
これまでは木や地形など目に入るものだけで森を見ていた私ですが、今では森全体がおおきな有機体として存在しているかのように感じます。
目に見えない領域を意識することで、森の捉え方がぐっと変わる!
知られざる「土中環境」の世界へ、あなたも足を踏み入れてみませんか?
第二回「生物多様性と土中環境」
■日時:2023年8月25日(金)
■時間:20:00から22:00
講座の前半でゲスト講師の坂田昌子さんに1時間程度お話しいただき、後半は質疑応答&参加者のディスカッションタイムとします。
■参加無料・申込み不要
■参加方法
ZOOMによるオンライン講座です。
開始15分前から入室いただけます。「 ZOOMに参加」ボタンを押してアクセスしてください。どなたでもご参加いただけます。
ミーティング ID 816 8727 6225
を使用してアクセスすることも可能です。
みなさまの参加をお待ちしております♪
※土中環境ということばについて
高田宏臣さん(高田造園設計事務所 代表・NPO法人地球守 代表理事)の環境再生の取り組みから生まれた言葉。活動への敬意や賛同の意味も含め、土中環境ということばを使用しています。