全国的にも珍しい!しだれ桜の町・神山案内

こんにちは。主任の渡邉です。私が神山を最初に訪れたのは2014年の3月初旬。そのとき、神山のパワフルな空気に圧倒されつつも、ちょっと不思議に感じたことがありました。それは「町全体がソワソワしている…!?」。どうも話を聞いてみると「もうすぐリアル桃源郷になるんだよ!」え、ちょっと待ってどういう事ですか。「神山町内には5000本の桜があって、至る所で桜が咲くんよ。」現在の神山町の人口は4,800人弱。実は、人より桜が多い町なんです。しかも、そのほとんどがしだれ桜。全国の桜の名所の8割がソメイヨシノと言われるなか、神山はしだれ桜を浴びるように見られる町なのです! また、桜の名所といえば、公園や名木などのスポットが多いのですが、神山の桜は町全体に分布しているのも大きな特徴です。

実はこれ、神山さくら会という地元のNPOが仕掛けた「神山をしだれ桜で日本一美しい町にしよう」という20年以上に及ぶ一大プロジェクトなのです。神山の名を全国区にしたNPOグリーンバレーも20年以上の活動の歴史があり、この数年の活動で神山が有名になったわけではないと、町外から来られるみなさんの驚きと納得の姿をよく目にしています。それと時同じくして活動を積み重ねて来た、NPO神山さくら会。こちらは、神山に住んで始めて知ったのですが、知れば知るほど興味深い。60代以降の数十人の会が20年掛けて、町内に6,000本以上の桜を植えまくる、という偉業です。個人的にかなり勇気づけられた、神山さくら会については、また追って記事にしたいと思います!

過疎化が進む町をなんとか明るくしたいと始まったさくらの植樹。神山さくら街道と名付けて、東西に走る国道や県道沿いを中心に、桜を楽しむことができます。なかでも「神山しだれ桜」は4000本以上植えられ、しだれ桜をこれだけの規模で楽しめるのは全国的にもかなり珍しいそうです。

しだれ桜は、枝が柳のように垂れ下がり花を付ける桜の総称。その姿は、優美でゴージャス。遠くから見ても見応えがあり、風に揺られる姿はなんとも妖艶。また、近くで見ると頭上に振り注ぐいっぱいの桜の贅沢なこと。写真にもバッチリ映えます。枝が柔らかいからこそ枝垂れるのですが、その分、他の品種よりも育てるのに手間がかかるのだそう。だからこそ、しだれ桜の本数が多い名所は珍しいのです。

沿道に植えられた桜を見るには、やっぱりドライブがいちばん。レンタカーを借りて、町内をぐるぐると走って桜を見つけるのが、いちばんの満喫の仕方だと思います(この時期、のろのろ運転も多くなり危険ですのでご注意ください。沿道に停める際にも十分ご配慮くださいね)。
マップを見ていただくだけでも、その数、26箇所!スタンプラリーのように、お弁当を持ってめぐってみてはいかがでしょうか。おすすめのお弁当屋さんはこちらの記事で!

そうは言っても、ドライバーさんも車から降りてお花見したい! そんな声にお応えして、駐車して楽しめるスポットを、桜の種類や高低差のある神山ならではの開花時期の違いも含めて、ご紹介します。今回は、神山さくら会の事務局を務める久保さんに、おすすめスポットを教えていただきました。

しだれ桜は、ソメイヨシノよりも1週間程度早い3月下旬〜4月上旬がおおよその開花時期。そのしだれ桜の通常の開花よりも例年約1週間ほど早い開花となるのが、マップ22番の明王寺。境内には、しだれ桜の立派な古木が2本あります。境内の外にも枝垂れる桜は、お寺の白壁とのコントラストで一層華やかに。境内へも入ることができます。開花時期には近隣に臨時駐車場ができますので、そこから徒歩で向かってくださいね。

マップ7番の川東も、毎年少し早い時期に咲きます。市内方面から来る場合は、見逃しがちですので、明王寺とセットでこちらもチェックを。

例年、開花のメインとなる時期に楽しめるのは、マップの9,10,11,12番と続く、さくら会発足地・鬼籠野(おろの)の坂。ユキヤナギやレンギョウも同時に咲き、沿道の両側が一気に色付きます。臨時駐車場は旧鬼籠野小学校。3月29日(日)にはさくら会によるさくら峠茶屋が開かれ、もちつきやさくら茶のお接待・見所案内もしてくださるそう。坂道と言ってもゆるやかなので、年配の方もみなさんもゆっくり歩きながら楽しまれていますよ。

お次は、しずくギャラリーショップの裏に当たる、マップ17,18番もオススメ。17番・創造の森には大きな駐車場と公共トイレもあります。その向かいの18番・農村ふれあい公園には遊具や川まで下れる階段もあり、お子様連れでも楽しめます。KAMIYAMA BEERをめざして来ると分かりやすいです。

そして、外せないのが近年有名になってきたマップ5番のゆうかの里。山一面のしだれ桜とレンギョウが見応えたっぷり。こちらはなんと個人の方が、さくら会から3本の苗木を分けてもらいスタートさせたというから驚きです。このようにさくら会を起点に、地元の方が地域に植えた桜を育て守っているからこそ、町中で桜を愛でられる神山になったそうです。
ゆうかの里までは、細い山道で昼間は渋滞になりがちです。慣れないドライバーさんは十分ご注意くださいね。ライトアップも見ものです。

さて、ラストは遅めの開花スポットのご紹介。マップには載っていませんが20,21番を通り過ぎ、四国八十八ケ所霊場・四国遍路の第十二番札所である焼山寺。遍路ころがしと言われるほど山の上にあるため、桜の開花も遅め。時期を逃した!というときには、参拝がてら尋ねてみてはいかがでしょうか。

また、しずくギャラリーショップの敷地内にある関山という八重桜も遅い開花です。店内に八重桜が飾られていたら、どうぞお庭を覗いてみてください。とても立派な木で、ぼんぼりのような八重桜はかわいらしくおいしそうなのです(実際、食用に使われる品種です)!

桜の時期は、宿も早めに予約が埋まります。ピンポイントで狙うのは難しいかもしれませんが、シーズン中であれば町内のどこかで桜を楽しむことはできそうです。ポーカーフェイスなあの人も春だけはニコニコしている(実話です)、そんな「リアル桃源郷」もあながち大げさではないことは、きっと春の神山に来てみると実感するはず。

最後にひとつ、都会ではできない桜の楽しみ方をご紹介。人工杉が多い神山町。それは桜の時期でも変わりません。でも、ふと山を見上げると、真緑の中にぽつんと一点のピンク色を見つけることができるのは春だからこそ。自生する山桜です。自生する桜って案外見たことがなかったので、初めて見つけたときは新鮮な驚きでした。
間近まで近づける沿道の桜で春爛漫を満喫しつつ、遠くの山に一本の桜を見つけてほっこりする。神山らしい桜の楽しみ方、ぜひ今年の春は神山でお花見をしてみませんか?