しずくのニホンミツバチ養蜂記録

こんにちは。スタッフの藤田です。

みなさん、お盆はどんな時間を過ごされましたか?

徳島では3年ぶりに阿波踊りが開催され、各地で懐かしい風景をみることができました。

3年ぶりの阿波踊りは活気に溢れていました。
3年ぶりの阿波踊りは活気に溢れていました。

さて、前回のメルマガでお届けした田んぼの話に続き、
今回はしずくが取り組んでいるニホンミツバチの養蜂について触れたいと思います。

ミツバチについて
突然ですが、みなさん、“ハチ”について、
どんな印象を持っていますか?

もしかすると、針で刺されるような危ないイメージがある方も多いのではないかと思います。

もちろん攻撃性の強いスズメバチなどは危険ですが、
ミツバチ自体は大人しく、滅多に人を刺すことはありません。

日本に生息するハチは、4000種類もいるそうですが、
その中でミツバチは2種類、「ニホンミツバチ」と「セイヨウミツバチ」です。

前者は日本列島にもともといた在来種で、後者は明治時代に国外から輸入された外来種です。
セイヨウミツバチは、採蜜量が多く商業向きなので、現在日本で流通する国産ハチミツのほとんどは、このセイヨウミツバチのものだそうです。

一方で、ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べて採蜜量が少なく、養蜂業者にとっては扱いづらい一面もあるとのこと。

ただし、ニホンミツバチは日本の生態系に沿った特性を持っています。寒さに強いことやオオスズメバチの襲来にも耐える独自の生存戦略を備えています。
ニホンミツバチは絶滅危惧種ではありませんが、環境の変化に影響を受けやすいことは確かです。
彼らを身近に感じながら暮らすことは、自分達の暮らす里山の環境を意識していくことにも繋がります。
このような背景から、しずくの養蜂ではニホンミツバチを迎え入れています。

しずくで設置している巣箱
しずくで設置している巣箱

しずくの養蜂の軌跡
ニホンミツバチは、新しい女王蜂が生まれる春、母親の女王蜂が半数の働き蜂を連れて新しい営巣場所へ移動します。

その時を狙って巣箱を用意してあげると、ニホンミツバチが分蜂して引越して来てくれるというわけです。

2020年春、スタートしたしずくの養蜂。手作りの巣箱を2つ設置したところ、どちらも分蜂したので、巣箱を継ぎ足し部屋を広げてあげました。
youtubeチャンネル:【移住×田舎暮らし】このかたまりは何だ!?初めての養蜂チャレンジ!今回は巣箱の増設編
https://www.youtube.com/watch?v=n5R83AJHJDY&t=12s

実はこのチャレンジ、採蜜直前にスムシ(蛾の幼虫)にやられ残念ながら失敗してしまいました。

そして2022年4月、今年はスムシ対策もばっちりして、巣箱を2つ設置しました。
2日ほどしていると偵察蜂が飛び出し始め、10日後には引越しが完了!

4月下旬のしずく巣箱。ミツバチが入り始めた頃です。
4月下旬のしずく巣箱。ミツバチが入り始めた頃です。

静かに巣箱へ近寄れば、ニホンミツバチを間近でみることも可能です。

代表・廣瀬は、毎朝ミツバチの姿を見るのが日課のようですが、
働きバチがせっせと蜜を運ぶ姿は、なんとも愛らしく健気で癒されます。

ミツバチが生態系のカギを握っている

「ミツバチが絶滅すれば人類は4年後に滅びる」というアインシュタインの言葉があるように、植物の受粉を担うミツバチは、生態系に深く関わりのある生き物です。

一方で、その小さな生き物は突発的な環境の変化に弱く、年によって数が激減したりすることも…(その原因として、農薬の使用が危険視されています。)

「ミツバチは環境バロメーター」という言葉もあるそうですが、彼らの存在がいかに私たちの暮らしに重要かがわかります。

フーコックビーファームのミツバチ。とてもおとなしい性格でした。
フーコックビーファームのミツバチ。とてもおとなしい性格でした。

ミツバチに注目する動き
ミツバチを重要視する動きは、年々高まってきています。

例えば日本では、都会の真ん中でミツバチを育てる「都市養蜂」の試みが広がっています。農薬に弱いといわれるミツバチですが、都会の公園の草花や街路樹などは、環境への配慮から農薬が使われていないため、実現しているのではないかと推測されています。

銀座はミツバチの暮らしやすい街!?静かにbuzzってる「都市養蜂」の現場に潜入してみた!
https://intojapanwaraku.com/culture/76305/

また、「ニホンミツバチ分蜂マップ」というアプリでは、
実際に分蜂を目撃した人が投稿できるようになっており、私たちも参考にしています。

分蜂マップ2022
https://www.swarm-map.com/

海外でもその動きは盛んです。
私がかつて暮らしていたベトナムには、フーコックという南の島があります。島の北部には、ミツバチと触れ合える野外学習型の農園があり、彼らが生態系にどのような影響を及ぼすのかを学ぶことができます。

フーコックビーファームの巣箱。 ここではミツバチが年中蜜を採れるように、多種多様な果樹や植物が植えられています。
フーコックビーファームの巣箱。 ここではミツバチが年中蜜を採れるように、多種多様な果樹や植物が植えられています。

また友人のフランス人は、南仏で庭付きの家を手に入れ、ガーデニングとあわせて養蜂の準備も進めています。実際に養蜂のワークショップにも参加し、小さなファミリーを迎えることに意欲的です。

 

もしかしたら、あなたの身近にいるかもしれない

ところで、山道でこんな箱を見たことはありませんか?
何かわからずとも何となく見たことがある人もいるかもしれません。

神山町の農道沿いで見かけた巣箱
神山町の農道沿いで見かけた巣箱

これも、ミツバチの巣箱です。
地域や個人差はありますが、里山ではこのような箱が点在しています。昔から養蜂が身近にあるのです。
養蜂自体に詳しくない方も、もしかすると、今後ミツバチや巣箱を見かけることがあるかもしれません。是非、お住まいの地域で探してみてください。

「ミツバチの存在を認識すること」

些細なことかもしれませんが、
私たちの暮らしがミツバチによって支えられていることを考えると、
改めて彼らのことを大事にしていきたいなと思いました。

そろそろ採蜜の時期なので、無事に採れたらまたご紹介したいと思います。
今後もしずくミツバチ便りをお楽しみに!