【しずくの社員研修レポート】京都の杉の里・京北町&茅葺の里・美山町へ行ってきました!

11月はじめの週末。しずくスタッフのみんなで京都へ研修に行ってきました。
まず目指した先は、京都市の北に位置する京北町
市街から山道を1時間ほど北上すると、その町にたどり着きます。

町の面積の90%以上が森林という京北町は、平安京の時代から林業が栄え、今でも自然に支えられた人々の暮らしがそこにある町です。
また、さらに北上した先には「かやぶきの里」と呼ばれる美山町があり、美しい山々と今でも残るかやぶき屋根の民家が作り出す日本の原風景を目にすることができます。

そんな京北町や美山町にも移住者が多く住まい、「新しいアイディア×昔からあるもの」が合わさった、これからのライフスタイルが創造されている町でもあります。

「里山」「林業」「移住」「新しい暮らし方」…と、キーワードが神山町と重なるふたつの町。
同じ里山である神山で暮らし、山や川にものづくり関わる私たちにとって、これからに繋がる、多くの気づきに出会う素晴らしい機会となりました。

そんな研修の模様を、私スタッフ東條の視点からお届けします。


京北町に着いて、まずはじめに驚いたのは山の景色。
秋に色づく広葉樹も多くあり、その中で整然と立ち並ぶ杉は枝打ちされ、凛とした美しい姿。
人が山と関わりながら生きている、と一目見て感じられました。

そんな山の姿に見とれながら向かったのは、この日から2日間開催された「ツクル森2020〜あたらしい繋がりへのお祭り」の会場。
しずくの代表・廣瀬の20年来の友人で、主催者である廣海緑朗さんにお誘いを受けたこのイベント。京北に暮らす人々たちによるクラフトやオーガニックフードの出店、音楽にダンス、トークショーまで、盛りだくさんのお祭りです。

もともと行われていた地元のお祭りに、移住者の方が協力して始まったものだそうで、今回が3回目。
初日は雨模様でしたが、会場の空気は穏やかで、いきいきとした人たちのエネルギーを感じました。

出店されていたクラフトやフードは、その人のこだわりや暮らしが垣間見えるものばかり。
体にも心にも美味しいもの、そしてツクル楽しさを大人も子どもも一緒になって体感できる場所。
「こんな風に暮らしていきたいよね。」そんなこれからへのメッセージに溢れるイベントでした。


イベント後にも、廣海さんに京北町や美山町をぐるりと案内してもらい、そこで暮らしツクル人々に会わせていただきました。

250年の歴史ある茅葺き屋根の古民家に住み、そこで経験した『里山の知恵』を世界に繋げる活動されているROOTSの曽緋蘭さん。
京北に根を張り、地域ブランディングやデザインを行う里山デザインの福元 宏徳さん
茅葺き屋根の里・美山で、昔ながらの天然藍染めをされているOW 大前直子さん。
かまど(京都では”おくどさん”)のある住まいで暮らし、「好きな人に美味いもん食わしたい」という思いでごはん屋さんをされている雷来軒の外山雷花さん。
日本古来の工芸素材である漆を、今の時代に応じた”当たり前な素材”とするための活動を行う一般社団法人パースペクティブの松山幸子さん。
地元のみなさんからの信頼も、木への愛情も深い田中木材の田中均さん。
指物と組子の技術を融合させた美しいものづくりをされる村山木工の村山伸一さん。

みなさんのお話を聞く中で、里山文化を自分の生活とリズムの中に取り入れ、それぞれの形で外へ発信し、芯のあるコミュニティが生まれていると感じました。

かやぶきの里・美山町
立派な茅葺き屋根の自宅兼工房にお邪魔させていただきました
タイル張りが美しい「おくどさん」

同時に京北・美山も様々な地域課題を抱えていることも、お話を伺う中で見えてきました。廉価な輸入木材による国産材の需要の低下や、獣害による農業被害、少子高齢化による過疎問題など。そこに暮らしているからこそ見えてくる問題の深さがあります。

それは神山でも同様です。
移住者であるわたしたちが神山で暮らし、自然と関わりながらものを作り、みなさんへ発信していくこと。
それがどういうことなのか、これからのしずくの在り方を改めて思い描く時間となりました。

 

最後になりましたが、アテンドしていただきました廣海さん、ツクル森スタッフ・出品者のみなさま、京北で出会ったみなさま、本当にありがとうございました。

この2020年に、京北町・美山町へ伺えたことにとても喜びを感じています。
実はスタッフ全員で研修にいくのは初めてのこと。京北・美山で見て、体感することを一緒に共有できたのはしずくにとっても、スタッフそれぞれにとっても学びの多い時間となりました。

これからのしずくをどうぞ楽しみに、引き続き見守っていただけたら嬉しいです。