こんにちは。しずくスタッフの優子です。
普段はしずくストアで接客や販売に伴う業務、そして今日お話する生花を担当しています。
神山でも草木が茂り、花々が次から次へと咲き誇る春がやってきました。冬の間、大地に土に木々に蓄えられたエネルギーが一斉に溢れ出す季節到来です。
しずくストアに訪れたお客様はお店に入った瞬間に、店内のデザイン、雰囲気と杉の香り、SHIZQの製品達が放つ美しく清浄な空気感に溜息をもらし、心を開いてくださいます。
都会からいらっしゃる方々は特に感動され、お褒めの言葉を仰ってくださいます。
今日は、植物達とともにストアでおもてなしすることについて、お伝えいたします。
昨年ストアオープン2年目の課題として、植物が生きる空間づくりに力を入れて取り組むこととなりました。それまでも、機会があれば草花をストアに持ち込んでいたこともあり、私に一任いただくことに。
神山に移住して2年、ちょうど神山の自然や道端の草花達ともっと仲良くなりたいと思っていたタイミングでもありました。
神山にはお花屋さんがない為、野山の恵みを必要なだけいただきます。
お役目をもって日々を過ごすようになると、いつもと同じ道がよりはっきりと鮮明に見えてくるようになりました。
しずくストアの敷地内、自転車での通勤路。夕方、ワンコと歩きまわる散歩道など、今まで通っていた何気ない場所で小さくかわいい植物たちと今まで以上に、目が合うようになってきました。
春の山菜からハコベや蓼、夏の元気な葉っぱ類から蔓科の植物、秋のススキや落ち葉など、、「ストアに連れていってもよいかしら?」と対話するのも楽しいものです。
冬はお花がないと心配されますが、庭の山茶花やら枯れた木に絡むツルウメモドキ、サンシュユの実、マンリョウ、南天など赤い実達を生かしてアレンジします。冬いちごは、葉っぱも実もとても可愛いのです。
そんな風に過ごしていると、草花以外ともご縁がつながっていきました。
植物に詳しい方と知り合ったり、生花の世界観を教えていただいたり、野の花の生け方のヒントになる本を貸してもらえたり。
お庭に咲く珍しい花や生産農家さんの育てた蘭や黄金ヒバ、啓翁桜(けいおうざくら)などをお裾分けしていただくこともしばしば。
根を張り、そこで生きている恵みを、その場で一部だけいただく。
お花屋さんで買うお花にはない土地に根づいた豊かさを体感しています。
この冬は神山工房さんの陶器をストアにお迎えいたしました。
神山工房さんも機械や道具を出来るだけ使わず、指先で土を感じながら作られているそうで考え方や製法もSHIZQと通じるところがあると感じています。
澄みきった山の空気のようなご主人が創られた花器は店内にもなじみ、活けた草花達も生き生きして嬉しそうです。
SHIZQ製品がそうであるように店内にあるものたちも、どこからやってきたのか、どんな物語をもっているのかを知ると立体感がぐんと増します。
しずくストアは神山杉のドアや床、吊り天井に、スタッフみんなで塗った漆喰の壁や商品棚、店内中央にはシンボルツリー。杉の年輪を生かした美しいデザインの器達も自然の一部。それらもアロマ製品も、そして神山中から集まってきた植物達、みんなが呼吸をしているため、訪れてくださったお客様も深い呼吸とともにリラックス出来る環境が生まれているのだと感じています。
広々とした窓からは太陽の光が降り注ぎ、山々や川、田んぼや畑の風景を眼下に店内に居ながらにして神山の自然を存分に味わうことも出来ます。
店内に優しい空気が流れているのも神山のささやかな自然とそこに暮らす人達の息遣いを感じられるからのようにも思っています。
改めて、このお仕事を通して、神山の自然がもたらしてくれる空気感、風の香り、大地の恵みをストアにお越しいただくお客様に存分に味わっていただけたらと心から思います。
しずくストアという空間で一緒にお客様をお出迎えしてくれる草花達との出会いから、花器に生け、お店にお越しいただいたお客様が神山とSHIZQの世界観を体感し、喜んでくださる場面に立ち会えるのが、私の喜びでもあり、やりがいにもなっています。
そんな神山の花鳥風月を味わえるしずくストアで在れるよう、
今日も私は神山の野を自分の足で身体で感じたままに過ごしています。
草花達や植物がもたらす光と風と大地のエネルギーを感じにぜひご来店ください。
草花の精たちとお待ちしております。