しずくらしい、ものづくりって何?

こんにちは主任の渡邉です。
しずくラボを開所して丸3年が経ちました。

「SHIZQ LAB.」。
工房や工場、ではなく”ラボ”としたのは、ラボラトリー=研究所や実験室の意味を大切にしたかったからです。

 

神山の地域資源を地域内で加工して、インターネットを使って価値観の合うさまざまな人に届けたい。
都会を経由しない地方にこそ強みのある仕組みを作りたい。
2013年しずくが始まった当初からの想いです。


しずくの職人たち

 

ラボ立ち上げは、しずくの職人になりたい!と大阪からやって来た当時27歳の藤本の登場がきっかけ。
時機がきた、と町内での生産拠点を作りました。

ずくで彼を迎え入れ、徳島市内の職人師匠の元へ通い一から学んでいく。実践の場としてラボに戻り経験を積む。最初はその繰り返し。
しずくの要となる木工ろくろの技術。何よりも優先して、その技術を受け継ぎ、大切にしています。

 

一方で、杉の新たな価値を生み出すというミッションのもと、ろくろ技術だけではなく、材料を調達するための伐採や、製材、乾燥に関しても細やかな配慮ができる知識と技術の習得が必要です。

 

さらにエッセンシャルオイルの抽出に関してもゼロからの積み上げで、自分たちなりのやり方を築き上げて来ました。
ほかにも、ディフューザー作りや除湿芳香剤用プリント刷り。除湿剤となる杉チップ乾燥などなど…。どれも藤本以外のスタッフがショップ業務や他の仕事と平行して、ラボで行なっているのです。

 

職人と呼ばれるのは藤本だけですが、実はニッチなものづくりのプロが育っている。
それを叶えたのは、ラボの存在。
そして、しずくのストーリーを実感を持って伝えられる販売スタッフをも生み出しています。

たかが3年、されど3年。

次の課題

次なる大きな課題。それは、ろくろ加工の次に行う、仕上げのコーティングを自分たちでできるようになること。

これが叶えば、”地域資源の地域内加工”が本当に叶うのです。
コーティングのための設備は実はすでに完成し、技術を習得していく段階にこれから入ります。まさに王手まで目前、という状況。

 

ここまでする背景には、”地域資源の地域内加工”を実現してこそ息の長いプロジェクトになり得るという確信があるからです。
そのために、歯車の一部だけを回し続けるのではなく、全体を見通してその時々に必要な箇所を回しに行ける感覚と技術がスタッフ全員に必要なのです。

紆余曲折ありながらもこの3年で、藤本は大きく成長しました。
惜しげもなく技術を伝えてくれた師匠の協力と、彼自身の人としての成長も、技術の向上に大きく反映されています。
藤本と同じく他のメンバーやSHIZQ自体も成長してきました。”効率や合理性だけを求める方法”と距離を取ってどこまでやれるか。そんなこれまでの価値観への挑戦でもあるのです。

向かい風ばかりが吹いていた最初の3年間。はじめに落としたしずくの一滴は、今思えば大きな波が立っていたのだと思います。

その中でも応援して下さったみなさんのおかげで、徐々に静かに波紋が広がり、ようやく綺麗な弧を描いて広がっているのかも?と、ここ最近感じることが増えてきました。

 

近い将来、藤本に弟子ができる。そんなイメージをリアルに感じながら、新たなステップに向けて、今日も地道に目の前のことに取り組んでいきます。