1年に1度の大仕事。SHIZQの材料調達

こんにちは。しずくスタッフの東條です。
神山では蝋梅に続き、桃や梅の花も咲きはじめ、春の足音を少しずつ感じる毎日です。

この冬、しずくチームは年に1度の大事な仕事「材料調達」を無事に終えました。
今年も安心して春を迎えられそうでホッとしています。
そんなわけで今回は、わたしたちの製品づくりで欠かせない「材料調達」についてお届けしたいと思います。

仕事仲間と木

材料調達がしずくにとって年に1度の大事な仕事なのは、乾燥に1年半を要するからです。

未来を見据えて準備をしなければなりません。どの器をどれくらい作り、届けたいのか、しずくチームで話し合いを始めるのが10月中頃。その数から何本の杉の木が必要かが決まり、木を切る日取りを調整し、仕事が始まります。

この仕事は大きく「伐採」「製材」「割れ止め塗布」「収納・乾燥」と4つの工程に分かれます。
伐採・製材・割れ止め塗布・パレット収納の組写真
が、それぞれの工程の中にも大事な作業がいくつもあり、すべて合わせると15工程ほど…。

「伐採」では枝打ち、玉切り、山から製材所への運搬。「製材」では、木の皮に挟まった石を取り、大きな製材機械で丸太から角材へ、そして長尺材から短尺材へ順繰りに製材、パレットに積み倉庫へ…と、とにかく1つの工程だけでも大変な作業なのです。
大変だけれど、1つ1つの作業をみんなで考え、やりきることでSHIZQの器が生まれます。

伐採

立木はおよそ2tの重さ。はじめの伐採では、倒し方や倒す場所によって、その衝撃から木の内部が割れてしまうことも。そうなると器にはできないので、できるだけ自分たちで切り、現場に立ち会うことを大事にしています。

そんなわたしたちに立ち上げ当初から協力してくれるのは、金泉製材の金泉さん

伐採する金泉製材所の金泉さん

斜面に生えた木をどう倒すのが良いか。倒した木はどのように運び出すのか…。
木の命をいただくために、時には命の危険も伴う、「木を切る」ということ。現場に出ないと決して分からない重みと尊さ。

「しずくのために切らせていただきます」

そう言って、杉を切る金泉さんの姿に、ただ単に材料調達ではなく、自然とともに生きること、そして山から頂いたものを次へ繋ぐことを肌で学ぶ貴重な経験になっています。

 

製材木取りをする職人藤本

SHIZQの木取りは、一般的な方法とは全く異なる柾目(まさめ)取り。杉の赤白のツートンカラーを美しく活かすための特別な取り方です。切ってしまえば後戻りできない一発勝負。取り方を間違えれば価値が大きく変わってしまうため、事前の念入りな計画が必要です。

割れ止め塗布割れ止めの様子

製材後、1年半の乾燥の過程で木が収縮し割れるのを防ぐための割れ止めを行います。SHIZQの器は手に取るもの。少しの割れにも注意が必要です。割れが入りやすい面は丁寧に、1本1本ムラなく塗っていきます。この長さにして1本が約5kg、ようやく一人で持てる大きさです。これが約400本。並べるだけでも大変な力仕事です。

 

収納・乾燥
パレットに収納した材料

塗布部分が乾燥したら、乾きやすいように立ててパレットに収納し、1年半自然乾燥させます。建材では多少の割れは問題無く、人工的に一気に乾燥させることもありますが、SHIZQの器では自然のスピードに私たちが寄り添い、ゆっくりと木の状態を整えてあげます。

 



こうしてSHIZQの材料調達は終了です。
1年半の乾燥を終えた後、ろくろ職人によって器へと形を変えて行きます。

手に取っていただくまで長く大変な道のり。ですが、木を切るそんなはじめの作業から関わることはわたしたちにとって宝物のような経験です。自然のものを扱うことの有りがたさと難しさ。それを体験しているからこそ、みなさんに届けられるものがあると思っています。

ご自宅にあるSHIZQの器を手に取って、神山の山のことを思い馳せていただけたら嬉しいです。

過去のブログでは、より詳しく材料調達の模様をお届けしています。
「伐採編」は店長・佐坂、「製材編」は職人・藤本がそれぞれの視点でレポートしています。
こちらもぜひ読んでみてくださいね。

 

想いを繋ぐものづくり。《伐採編》

 

想いを繋ぐものづくり。《製材編》