4名の仲間が加わったしずくのチームづくり論?!

こんにちは、神山しずくプロジェクトの渡邉です。
すっかり冬らしい日も増え、神山では薪ストーブシーズンの到来です。

新たにスタッフを迎えたとき、冬になると薪割りや焚き付け方を覚えてもらうのですが…
今年はなんと!教えることなく薪ストーブを点けられる新スタッフが登場!
上手に点けられるようになるには一定期間レクチャーがいるので、なんとも頼もしいことです。

今日は、しずくが新しく迎えた個性あふれる新スタッフの紹介を通じて、
新しいチャレンジであるチームのあり方についてご紹介します。

スタッフ懇親会@夜のSHIZQ STORE

topics

6人の仲間が10人に!
・ダンサー、奏者、フリーランス、大学生?
・多様性の強みを実感
・「採用時」の大事なポイント
・仲間が増えるときの真の主役は?


 


6人の仲間が10人に!

デザイン会社が運営する神山しずくプロジェクトは、
代表を含め6名で運営してきましたが、この夏の間に、10名に。

過疎の町で、かつ古式のモノづくりを始めた私たちが
10人になった」と話すと、大層ビックリされます。
もちろん、そんなに簡単に人を増やすことはできません。

以前お伝えした通り、1名は地域おこし協力隊。
残り3名はパートタイム出勤でのスタッフです。

「それでも、このタイミングで増やしたい。」
「そんな条件でも働きたい」とご縁が重なり、実現しました。

 

 

雲と同じ目線から見た空と雲

ダンサー、奏者、フリーランス、大学生?

新スタッフ1人目は、SHIZQ STORE販売スタッフの優子さん。
彼女は神山に移住して1年半、長らく東京で秘書として働いていました。
ライフワークはダンサー。さまざまな思想を超えた感性を生かした奉納舞など、
自然界と人とを繋ぐやわらかなインスピレーションの持ち主で、
SHIZQの世界観を伝えてくれています。

 

2人目は、事務所とラボ・ストアの裏側で縦横無尽に活躍する理美さん。
神山に移住して1年、都内外の官公庁などで働き、音楽留学もしていたファゴット奏者。
子どもの頃からの職人好きが高じて、しずくのモノづくりに魅了された才女は、
持ち前のバイテリティを生かし、多方面からしずくを支えてくれています。

 

3人目は、デザイナーとしてしずくに関わる景子さん。
徳島の豊かさの源泉である吉野川流域で青春時代を過ごし、自然遊びはお手のもの。
海外でデザイナーとして働き始め、
しずくを支えるデザイン会社で学びながら個人での仕事もしています。
彼女を育んだ徳島の川や山との関わりを、しずくに結び繋いでくれることで、
新しい出会いや発見が生まれています。

 


4
人目は、9月にお伝えした職人候補の鈴木。
現役の大学4年生ながら、卒業を待たずにしずくで働き始めました。
学業と両立しながら、着々と修行に励んでいます。
オープンマインドで田舎スキルの師匠をどんどん見つけ、
自宅の改装など神山暮らしを大満喫しています。

 

水面に映る夕日

多様性の強みを実感

新たな雇用は、大きな労力と決断力を要します。

今まで、正社員として受け入れ育てる方法にこだわってきた私たち。
そこには明確な基準があるものの、
部分的な関わりのスタッフに、それを求めるのは厳しいのではないか?

長らく悩んできた私の想像を超えて、新メンバーが加わってから、
あれよあれよと言う間にチームの風通しが格段に良くなっていきました。
全員が十分に発言できる6人と比較しても、です。

全体をとりまく空気が攪拌されるような、
さわやかな風が流れ続ける状態へと変容したイメージです。

 

それをもたらした彼らに共通するのは、
身軽で柔軟、自分の判断軸を明確に持っていること。

まるで、かつての旅人が多くの文化や情報の伝達者として、
行く先々で恵みのヒントを与えてきたように、
彼らもまた同種の強みがあったのです。

第三者目線を持ちながら、当事者として行動できる存在は、
ひたすら地道に活動を続けてきた私たちに、
新鮮なスパイスとなって刺激を与えてくれるのです。

 

銀杏と紅葉が色づく棚田の風景

「採用時」の大事なポイント

「しずくの職人になりたい!」というひとりの青年が現れた2016年の冬。

奇跡!と震えたできごとから5年。
同じインパクトを持った出会いが定期的に訪れています。

もう、これは奇跡ではない。
そう思えるようになったのは、つい最近のこと。

前述の通り、仲間を得る時の明確な基準を、数年かけて見出し、
その実証実験とも言える経験を積み、確信へと変わったからです。

 

その基準とは、しずくのファンであること
私たちの暮らしや思想に共感し、すでに何かの行動を起こしていること

スキルや経歴ではありません。
私たちにとって必要な役割を担い得るかも大切ですが、
それ以上にその方の根幹にあるものとしずくのスタイルが合うか合わないか、ただそれだけです。

限りある時間を使うのだから、対等であり、
「採用試験」ではなくお見合いのような感覚で、ミスマッチを防ぎたい。

互いの人生にとって最良かどうか、一緒に人生を作っていけるか、の見極め
それを丁寧に確認していくのが、しずくの「採用時」のプロセスです。

 

夜の野外のバーベキューをする男女
山の師匠・金泉さんの家で恒例のBBQ

仲間が増えるときの真の主役は?

忘れてはならないのは、新しい仲間を受け入れる際の本当の主役は、
受け入れ側である先輩スタッフだということ。
今回、新たなメンバーが短期間になじみ活躍できるのも、
その素地をコツコツと築いてきたからこそ。

増員はチームにとっては先行投資。
ともに働く先人が、その意味を真に理解してはじめて機能するものだと知りました。

互いを尊重し、互いの存在の必要性を明確に理解するから、
それぞれが与える影響を前向きに受け止められる土壌となる。

そこに、11人が差し出せる能力や気持ちを、
少しずつ持ち寄って、思いがけない反応やできごとが生まれています。

 

脇目を振る余裕もなく、ただ愚直にこの活動を育ててきた8年間。
そこに彼らの存在が、チーム全体にわずかなゆらぎを持たせ、
ゆっくりと世界を広げてくれています。

それは、不思議な必然性すら感じられるほど。

今までに味わったことのない心強さや安定感。
ふつふつと湧き上がるエネルギーのような、
そんな力強さを、チーム全体に感じられているのです。

 


 

しずくを始めて9年目、困難も多いプロジェクトですが、
地元の職人たちに救われ、仲間に恵まれ、今いっそうの可能性を感じています。

しずくに携わる全員の個性や幅を、未来へ向かって広げられるように、
大事に大事に守り育てていきたい。
それがこの活動を広げていく大きな推進力となるものだから。

まだまだチャレンジしたい計画も温めています。
ますます進化するしずくプロジェクト、これからもどうぞお楽しみに。